高木晶子著「想い出大事箱」の感想

著者は高木彬光の長女で、父との思い出を綴ったエッセイ集。

高木彬光の家庭での姿を知ることができ大変興味深い。山田風太郎をはじめ、江戸川乱歩や横溝正史との交流がどんなものであったかの証言も貴重だ。

江戸川乱歩が高木彬光と山田風太郎を評して、「山田君は変わっているように見えるが、案外変わっていない。高木君は一見まともなように見えて、おそろしく変わっている」と言ったそうだ。その言葉どおりに、占いに凝ったり、金鉱山の発掘に乗り出したりと、ちょっとやり過ぎに思えるほどのめり込むこともあったようだ。些細なことで引っ越しを繰り返して家族を振りまわすが、著者はそれを楽しんでいたようで微笑ましい。

家庭内にはつらいこともあったようだが、著者の明るい性格のせいか暗くならずに読むことができ、エッセイ集としても面白い。