映画「約三十の嘘」(2004)の感想。

2004年公開のトワイライトエクスプレスの車内を舞台とする犯罪コメディ映画。

コンゲームかと思って見始めたが、詐欺師たちの人間物語だった。羽毛ぶとんの詐欺で北海道で一儲けを企む詐欺師たち。その帰りの豪華寝台特急内で儲けの現金が消える。疑心暗鬼のもと、互いの腹の探り合いが始まる。

「約三十の嘘」というのは、詐欺師の心得を表している。一つの嘘を成立させるためには、小さな嘘を30つくことになる。よって、肝心なところ以外は嘘をつかないのがよいという意味。

そうなると詐欺師たちの丁々発止の騙し合いが繰り広げられるかと思ってしまう。確かに、誰が信じられるのか、誰が嘘をついているのかという構成ではあるが、あまり切れのないストーリーだ。一応、それぞれの人物のキャラもあるのだが、少し弱いのでストーリーの中で生きていない感じ。

本音のところが明らかになっていって、最後に何が大事なのかというところに落とし込む。いまいち乗り切れないあいだに終わってしまったね。

椎名桔平は好きな俳優だが、あまり作品に恵まれていない気がする。