映画「ヨーロッパ横断特急」(1966)の感想。

1966年製作のフランス・ベルギー映画。アラン・ロブ=グリエ監督。

主人公は麻薬の運び屋。タイトルからは、サスペンスかミステリー、或いはアクション映画のように思えるが、かなり前衛的で実験的な作品。

劇中には、鎖やロープがよく出てくる。縛られたり拘束されたりする場面もある。これがキーポイントになる。つまり束縛からの解放がテーマになっている。

列車内で映画の構成を話し合う制作者3人組。そこに映画の主人公が登場して同席してしまうという場面からスタートする。映画の主人公というものは、脚本に沿って動くだけの存在であるはずだ。制作者と主人公が同じ画面に出てきてしまうというありえない設定。

そして脚本が決まっていない状態でストーリーは進行してしまう。こうなると当然主人公は、自由に動き回れるはずだ。しかし、新たな展開を次々と制作者から提示され翻弄されてしまう。更に、劇中では警察やヤバい連中から追われるというストーリー。逃げ込んだ青年の部屋には、人のポスターが壁一杯に貼られていて、皆から監視されているような状況を暗示している。

最後にステージで踊る裸の美女が映し出される。衣服を脱ぎさって束縛から解放されているはずなのに、体には鎖が巻きついている。まるで主人公そのものだ。

パズル系の頭を使って見る映画。そういう意味では面白いと思う。