映画「蘇える金狼」(1979)の感想。松田優作主演のハードボイルド。

大藪春彦原作、松田優作主演のハードボイルド角川映画。

主人公は東和油脂に勤める平凡な若手サラリーマン。実は彼には裏の顔があった。知力と暴力を駆使し、会社を乗っ取ろうと策略を巡らしていた。自らの野望を達成するために、悪の限りをつくして、大企業に挑んでいく。

松田優作を見るための映画と言ってよい。彼の暴力性、アウトロー的な生き方が全編にわたって描かれている。そして脇をかためるのが、小池朝雄、成田三樹夫、佐藤慶、千葉真一、岸田森の濃い面々。それぞれが持ち味を出している。

ハードボイルドアクションのエッセンスを取り出し、それをつなぎ合わせたような構成になっている。ただ、残念ながらそのつなぎ方がまずく、ストーリーがうまく機能していない。

当時の角川映画の勢いと松田優作の魅力で作られた作品という印象を受ける。ハードボイルド好きならよいかも。