映画「史上最大の作戦」(1962)の感想。壮大なスペクタクル作品。

第二次大戦中のノルマンディー上陸作戦を扱ったモノクロ映画。

とにかく製作規模の大きさに驚く。本当の上陸作戦を撮ったのではと思うくらいに映像に迫力がある。モノクロ映像なので記録映画のような感覚にもなる。

何か大きなストーリーが展開するわけでなく、あくまでも上陸作戦全体を描いて、すべてが動いている躍動感にあふれ、作戦の大きさを実感させる。もちろん、豪華メンバーによるそれぞれの物語はある。ジョン・ウェインは相変わらず貫禄十分だし、ロバート・ミッチャムもよい味を出している。007で人気が出る前のショーン・コネリーの顔も見える。

一方、多くの戦死者が出る様子も描かれるが、戦争の悲惨さや非人道的な行為などは、正面を切って取り上げてはいない。第二次大戦の英雄たちの熱きドラマというスタイルだ。

映画の圧倒的なスケール感は、国家のすべてを巻き込む戦争の想像を絶するほどの大きさを十分に表わしている。娯楽活劇と感じるかもしれないが、見方を変えれば、戦争の愚かさを見せてくれる作品だとも言えると思う。