映画「マージン・コール」(2011)の感想。

リーマン・ブラザーズの破綻をモデルとした金融映画。

投資銀行という名前はよく聞くが、何をやっているのかわからない存在。とにかくお金を稼いでいるのは間違いなく、そこで働く人も高所得者たち。いったいどんなところなのか。

そういった疑問を少なからず解決してくれる作品だ。それも破綻の過程をたどることで。チャートが表示されたモニターを見ながら、取引をしている姿が映し出される。それだけで彼らの仕事の大部分を表現している。凝ったセットは不要で、お金のかかっていない映画だ。

結局、自分たちで作り出したサブプライムローンを十分に把握しておらず、いつの間にか崖っぷちに追い込まれている。大変な事態になったことに気づく幹部たち。だが、したたかに生き残りをはかる。あくどい方法なので、嫌がる人もいる。そこには人間性も出る。しかし、彼らのお金への執着はすさまじく、それが原動力になって前に進む。

金銭欲と人間性の対立がバチバチと火花を散らす展開だ。とにかく迫力がある。人間ドラマとしてよく出来ている。