「竜馬の妻とその夫と愛人」の舞台劇と映画を比較してみた。

三谷幸喜作の舞台劇。BS松竹東急で、舞台劇と映画の放送があったので視聴。舞台劇は2012年10月24にち下北沢ザ・スズナリの公演、映画は市川準監督で2002年制作。

配役は

映画
西村松兵衛:木梨憲武
菅野覚兵衛:中井貴一
おりょう:鈴木京香
虎蔵:江口洋介

舞台劇
西村松兵衛:綾田俊樹
菅野覚兵衛:佐藤B作
おりょう:あめくみちこ
虎蔵:佐渡稔

 

龍馬の十三回忌を催すために、政府役人が龍馬の妻おりょうを訪ねる。すでに再婚をしているおりょうは、愛人をつくり今の夫を捨てて北海道へ向かおうとする。

ストーリーは、どちらもほぼ同じ。長屋でのシーンがほとんどだが、映画では、別の場所でのシーンも追加されている。

舞台劇は、いつもの三谷幸喜喜劇。テンポの良い流れで、時折笑いを誘うセリフが組み込まれている。固そうな軍服姿の佐藤B作が綾田俊樹との絡みでみせる演技がいい。とぼけた綾田俊樹のヨレヨレ感もいい。

一方、映画は、個別にみると、出演者の演技、映像、脚本のどれもよいと思う。ただ、脚本と映像がかみ合っていないように感じる。映像自体は、きれいでレトロ感漂う当時の情景が再現されている。けれども、そこで繰り広げる喜劇は、場違い感が強い。組み合わせのちぐはぐ感が、せっかくの作品としてのよさを殺してしまって、なかなか作品に入り込めない。