映画「ナイブズ・アウト」(2019)の感想。ダニエル・クレイグが探偵役。

ダニエル・クレイグが探偵を演じるミステリー。

ミステリーのプロットはよくできているが、最近のものとしてはごくふつうかな。それなのに作品としては単なる謎解きもの以上の魅力があり、かなり面白しろい。

資産家の一族の当主が死亡し、すぐに遺産相続争いが勃発。死亡の真相と身内のそれぞれが抱える問題が徐々にわかってくる。女性看護士が鍵をにぎり、何者かに襲われる。

アールデコ調の邸宅内の雰囲気が独特の雰囲気を醸し出す。謎の屋敷といったミステリー感満載の装飾だ。登場人物も個性的。犯人捜しの容疑者として、誰もが胡散臭さ十分だ。そこに登場する探偵のダニエル・クレイグ。007シリーズはとは違った頭脳派の名探偵ぶりを発揮する。嘘をつくと吐くという設定だけは、都合のよすぎていただけない。

良質のアガサ・クリスティー作品のような映画だ。謎解きで奇をてらわなくとも、作り方の工夫で秀作に仕上がった作品。