映画「風の視線」(1963)の感想。松本清張原作。

松本清張原作。殺人も巨悪の横暴もなく、複数カップルによる浮気物語。ちょっと毛色の変わった作品だ。

3組の夫婦が登場する。佐田啓二と奈良岡朋子、新珠三千代と山内明、岩下志麻と園井啓介。このうち奈良岡朋子以外は、不倫合戦に参加する。

誰もが自分の相手をかえりみることなく、浮気相手に向かっていく。山内明は強欲の中年男を演じていて、都合のいいように岩下志麻と関係を持とうとする。だが、佐田啓二や新珠三千代にしても、描き方はきれいだが同じ穴のむじな。岩下志麻は、純朴で一途な感じを醸し出すが、彼女もまた同じ。

それでも物語として成立するのは、どんな人でも不倫関係に陥ってしまうということ。どんな性格にも身勝手さはあるもので、それが行動に反映され物語が生まれる。誰がどんな動きをするかは、ミステリーのように謎に満ちている。下世話な好奇心からどうなるかなと結末まで目が離せない。