ベストセラー小説を映画化した作品。家の間取り図を使っての宣伝をよく見ていたので、なんとなく気になっていた。U-NEXTに入ったので視聴してみた。
やはり冒頭のつかみは抜群によい。違和感のある不自然な間取りから醸し出す不気味さ。悪い方向に考えをもっていって犯罪を匂わせる。住人にも怪しいところがあることがわかってきて、ますます引き込まれる。
そこから旧家の謎に挑むことになる。これがほぼ横溝正史作品のノリになってくる。不気味さはあるにはあるが、金田一耕助が出てくるような古いしきたりに縛られた一族の裏の顔の恐さだ。これはこれでありだと思うが、前半とのつながりが必然ではないところがいまいちかな。
注目は建築士の佐藤二朗。役どころとしては無難に演じるだけでもいいキャラだが、そこをここまで面白く演じてしまうのはさすがだ。彼の演技を見ているだけでも面白い。
前半と後半は別作品と思える映画。前半がよすぎて後半がかすんでしまっている。