映画「黄昏」(1952)の感想。ローレンス・オリヴィエ主演。

ローレンス・オリヴィエとジェニファー・ジョーンズによる恋愛物語。

言ってみればシンデレラストーリーになるのだが、この映画では、上流階級にのぼりつめるシンデレラと入れ替わって、王子さまが転落してしまうという激しい展開が繰り広げられる。メロドラマには二人の愛を妨げるものが不可欠だが、ここでは王子の急降下が凄すぎて、そこが見どころになっている。

ジョーンズは、田舎から出てきて女子工員として働くが、たまたま応募した映画を端役がきっかになり、女優として成功する。こちらは夢のある成功物語だ。

一方のオリヴィエは、上流階級のためのレストランの支配人から、ジョーンズとの駆け落ちで職を失い彼女とも別れて、ついには浮浪者のような生活にまで陥る。それでも二人は、ピュアな愛情を持ち続けるので、そこが哀しい恋愛物語としての中核になる。

見どころは、やはりローレンス・オリビエの転落ぶりだ。あれほど自身に満ちて颯爽としていたのに、見る影もないほどに落ちぶれる過程を見事に演じ分けている。会社の金を持ち逃げしたり、彼女に言い寄るために見え透いた嘘をついたりと、人間的にも品位をなくしていくが、それを泳いだ目で表現している。さすがに世紀の名優だけあって、実に豊かな演技力だ。

ジョーンズの内縁の夫になるお調子ものの男はエディ・アルバート。ローマの休日ではグレゴリー・ペックの相棒役、刑事コロンボではホリスター将軍を演じたあの俳優さんだ。