韓国映画「大統領暗殺裁判」(2024)の感想。朴正熙大統領暗殺事件。

朴正熙大統領暗殺後の裁判を弁護士の活躍を通じて描いた作品。

熱血弁護士を主人公にしてヒューマニズムの観点から、朴正熙大統領暗殺事件と全斗煥将軍のクーデターを描いている。弁護士は、一途に軍人魂をみせる大佐に影響され、裁判を勝ち負け主義で見ていた考えから、徐々に人道的な思いを持つようになり、損得抜きで奔走するようになる。

その過程で、大事件の中ではただの手駒に過ぎない軍人が極刑になるという、この裁判の理不尽さが浮き彫りになる。上官の命令に従っただけなのに、小さな存在は無視され、正当な裁判が行われないという描き方だ。

しかし、一方では事件で果たした役割については詳細な描写は控えられている。宴会場に詰める警護員たちを射殺した場面は、軽く触れられるだけだ。不意打ちで彼らの命を奪った実行部隊であったという点が、一番裁判に影響を与えたであろう。罪の重さを考えるうえでは、やはり片手落ちになると思う。

弁護士がマンガ的な活躍をすることを除けば、かなり魅せる作品になっていると思う。とくに全斗煥将軍の悪役感は、「ソウルの春」よりも重苦しさがあって、全体を引き締めている。