古畑任三郎第35話「頭でっかちの殺人」(完全すぎた殺人)の感想。犯人役福山雅治。(ネタバレ)

犯人は福山雅治が演じる化学研究者。まれに見る知能犯と古畑の対決が見もの。

車椅子の化学研究者の犯人は、元恋人が同僚と婚約したことを知り、復讐を計画する。遠隔操作で同僚を爆殺し、容疑が元恋人に向くように画策する。古畑は捜査当初から犯人の目星をつける。

犯人はシリーズ屈指の知能犯で、緻密な計画を立てて、車椅子からすべてを実行してしまう。ジャイアンツ戦のチケットを同僚に譲ったり、ピザの配達員に目撃させる工作は、かなり芸が細かい。論理的で冷徹な役柄は福山雅治にぴったりだ。

ここまで完璧な犯人像をつくりながら、一方では接着剤で腕をあごにくっつけて、考える人のポーズをとる今泉が出てくる。考えようによっては、これは示唆的で、頭脳にたよりすぎる犯人を揶揄しているようにの見える。

解決編は、刑事コロンボ「死者の身代金」のパターン。人の心を読めない犯人が、まさかの手がかりを残してしまう。ただ、さすがに包装紙は、どうにかならなかったかな。

犯人のトリックが詰まっていて、そこが見どころのエピソード。