映画「バグダッド・スキャンダル」(2018)の感想。

2018年公開の国際政治サスペンス。国連のイラク人道支援計画に関する汚職事件がベースになっている。イラクのフセイン政権のもとで行われた国連の人道支援プログラム。そこに群がる現地の実力者やブローカーたち。そして不正が国連の内部にも及んだ大スキャンダル。

実話ベースなので、かなりの迫力はある。利権絡みの複雑な中東の政治状況が、顔役の存在で説明しているところはなかなかうまい。クルド人女性の存在も現地の民族問題を反映していて、キャスティングでの背景説明にもなっている。ただ、もとになった事件の解決が曖昧になっているので、最後はなんとなくの終わり方になっているのは少し残念。

ジャクリーン・ビセットが現地の所長役で登場している。

中東問題は各地で泥沼化しているが、そういった状況をうまく取り込んだ映画だと思う。