アンソニー・ホロヴィッツ著「カササギ殺人事件」書評感想

少し前に話題になったヒット作。期待しながら読みはじめた。

イギリスの片田舎で家政婦の葬儀が行われた。偶然の事故に見えた彼女の死は、小さな村の人間関係が絡む事件へと発展していく。余命わずかの探偵ピュントが解決に乗り出す。そして下巻に移ると驚くようなストーリーに変わっていく。

ミスマープルが登場しそうなイギリスの小さな町が舞台。先日読んだ「赤い館の秘密」に雰囲気がそっくりだ。

上巻を読み終わったとき、こんな調子で残り半分をどうやって持たせるのかなと思いながら下巻に突入。読み始めて、あらためて表紙を確認してしまった。

トリッキーな構成に目を奪われるが、ストーリーにテンポがあって、ほどよいところで新たな展開が始まる。読み手を引き込むような話の進め方がうまい。上巻の謎が最後まで明かされないのもそのひとつ。

現代劇と古典劇を一緒にしたような作品で、評判どおりの楽しく読むことができるミステリー。