東日本大震災を背景としたヒューマンミステリー。55分という短い作品。
大災害を題材とすると重苦しい雰囲気になるのは避けられないが、本作ではそこにミステリー的な要素を入れて、家族の物語としている。
うまくコミュニケーションがとれない父娘との関係を軸に、偶然乗り合わせた母子のつらい体験から、登場人物の持つ記憶が呼び起こされる。残された人のやるせなさ、亡くなった人たちの思いが重なる。つらい過去ではあるが、彼らの家族愛が救いになる。そしてタクシー運転手の父と母子との意外な関係。楽しいという気持ちにはなれないが、心温まる作品に仕上がっている。



