他人の手帳を収集するというレアなことをしている著者。本書には集めた手帳の写真がふんだんに収録されている。もちろん持ち主の許可を得て買い取っているし、プライバシーには最大限に配慮を払っていて、個人が特定できるようなことは書かれていない。それでもタイトルのように何が書かれているのだろうという野次馬根性を刺激するような本だ。
もともと日記や手帳、ノートなど、公開を前提にしないものに何が書かれているかには興味がある。内容そのものものについてよりも、どのように使っているのかについてだ。手帳をどう使うかは、大げさに言えば知的生産活動に関係している。実際に、そういった視点からこういった類いの指南本や雑誌の特集記事は多いし、結構目を通している。だが、やはりまとまった実例が紹介されることはあまりないので、写真がたくさん載っているのを見て読んでみた。
しかし、著者の興味は手帳の使い方よりも、何が書かれているかにあるようだ。実例には、こんなことまで書いているのかと驚くものがあったりして、それはそれで面白い。ただ記録している、書きなぐっているだけのものが多く、はっとするようなアイディアを感じさせる使い方をしているものはほとんどなかった。