映画「黒い罠」(1958)の感想。オーソン・ウェルズ出演監督。

オーソン・ウェルズ監督。チャールトン・ヘストン、ジャネット・リー、マレーネ・ディートリッヒ、デニス・ウィーバー出演。

アメリカとメキシコ国境の街が舞台。メキシコの麻薬捜査官ヴァーガスは新妻スーザンと滞在中に自動車爆殺事件に遭遇する。アメリカ警察とともに捜査を始めるが、腕利きのクインラン警部とは最初から衝突する。そしてスーザンが誘拐されることになり、黒幕としてクラインが関与が疑われるようになる。

やはりオーソン・ウェルズはうまい。巨体をゆすって悪徳警官の黒い雰囲気を出すような演技はまさに怪演。存在感抜群で、それだけで全体的にしまった物語にしてしまっている。チャールトン・ヘストンとジャネット・リー夫妻にのびる魔の手と、徐々に明らかになる悪徳警官の裏の顔が緊迫感を醸し出す。新妻スーザンはちょっと無防備すぎるところが、ストーリーとしての難点になるかな。

後に警部マクロードを演じるデニス・ウィーバーが、気弱なモーテルの夜間勤務者として出演している。