平成は失敗の時代という位置づけで、過去30年の経済を総括した本。平成をバブル崩壊、回復期、2011年以降に分けての経済分析。
バブル崩壊
・90年以降もバブル崩壊に気がつかなかった
・90年代の停滞原因は金融面でなく実体経済にある
・バブル後の構造転換の失敗
・世界経済大変化と中国工業化の対応に遅れた
・モノを作らないモノづくり、IT時代、製造業水平分業へ
回復期
・2000年代は偽りの回復
・製造業は、時代逆行の工場の国内回帰
・小泉改革は政治的で経済的でない。低金利と円安で古い産業構造温存
・日本のITは立ち遅れ
・アメリカはリーマンショク後の金融危機の回復速かった
・崩壊した輸出立国モデル
・日本経済の実体は古いまま。輸出量拡大と円安で実力高まっただけ
2011年以降
・アベノミクスでは、異次元金融緩和でマネタリーベース増えたがマネーストック増えなかった
・円安はアベノミクスで生じたのではない
・金融緩和で経済活性化できない。構造改革必要
・アベノミクスでは経済成長はできなかった。為替レートの影響で浮上しただけ
・金利が高騰するため金融緩和を終了できない
今の日本問題は、デフレ脱却でなく高齢化対処、中国の成長への対処、新しい産業づくり。
大きな変化に対応できず、旧態依然の構造が残ってしまったところが日本の失敗という説明。アベノミクスについては、かなり厳しい。
平成経済を振り返る意味で、よい本だと思う。