佐藤優氏による定年後のシニア層に向けた指南本。
緊迫した国際情勢やビジネスマン向けの生き残り術などシビアな題材での著作が多い著者。今回は割とユルめで、定年後の生活についての提言だ。
基本的には人生を楽しむフェーズに移ったというスタイル。本を読んで勉強をして人と交流する。無闇に冒険をせずに、日々の生活を楽しむ。人間関係を絞るというのがシニアらしいし、定年になれば自然に人づきあいは減ってくるので、それでいいのだと思う。
考えてみれば、今のシニア世代は恵まれていると思う。戦争とは無縁の平和な時代を生き、経済成長の中で豊かな社会生活も送れた。そして定年後も気楽な生活ができる。もちろんお金と健康の問題だけクリアできればの話だが、充実した年金制度や医療制度によりそれが可能になっている。多くの人たちがお気楽なシニア生活を楽しめる条件が整っている幸せな世代だ。
結局、人間関係に煩わされず、お金と健康があれば、自分の心持ち次第で何とでもなるというのは、シニアに限らない人生の黄金律ということだね。