NHKBS世界のドキュメンタリー「ユーゴスラビアの崩壊」の感想。

1995年イギリス制作のドキュメンタリー。ユーゴスラビア崩壊の過程で起きた紛争を、当時の指導者たちのインタビューで構成した6回シリーズ。

カリスマ指導者のチトーの死後、なんとか統一を保ってきたユーゴスラビア。しかし、コソボで起きた小さな紛争をきっかけにして実権を握ったミロシェビッチは、セルビア主義を前面に押し出す行動に出る。それに触発されるように各地で民族主義が台頭し、スロベニア、クロアチアが独立宣言し、それを防ごうとセルビアと対立する。そしてモザイク地域のボスニアヘルツェゴビナでの虐殺へとつながる。

セルビア人、クロアチア人、ボシュニャク人のそれぞれのリーダーたちが自分たちの主張が続く。その間にも、軍事的に有利なセルビアにより一般市民を標的にした残虐行為が行われる。NATO介入で戦況のバランスが逆転すると、クロアチアとボシュニャク側からセルビアへの虐殺が始まる。

ヨーロッパの火薬庫と言われるバルカン半島の根深い民族対立。こういう地域では、和平と一口に言っても、そう簡単なことではないと思い知らされる。

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NHKBS
2009年6月14日(日)他
(初回放送1996年10月4日他)