映画「容疑者 室井慎次」(2005)の感想。踊る大捜査線シリーズ第4作。

「踊る大捜査線」シリーズのスピンオフ企画第2弾。本シリーズとは違ったテイストの作品。サスペンスものとしては、なかなかの力作で、今までに見た4本に中では一番よかった。

冒頭から室井慎次が逮捕されてしまう。過剰捜査による被疑者死亡の責任を取らされたのだ。オタク弁護士の執拗な攻撃と警察庁と警視庁の権力争いに巻き込まれ苦境に立つ室井。新米女性弁護士の助けを借りながら、闇の権力に立ち向かう。

今までのようなハリウッド的な派手なアクション映画ストーリーではなく、昭和の日本映画のような黒い影が見え隠れするサスペンスタッチの作品。

事件の捜査を妨害する影の権力が裏にあるという設定が全体的に重みを持たせている。飛び回るだけの弁護士役の田中麗奈の配置もいい。警察庁と警視庁の権力争い、恋人殺し疑惑での急展開、黒幕の登場、オタク弁護士の憎い人物像など、構成もなかなかよくできていると思う。

本編とは違う作風なので期待を裏切られたと思う人も多いかもしれないが、サスペンスものとしては良作だと思う。