映画「劇場版 トリリオンゲーム」(2025)の感想。

原作の漫画、テレビドラマとも未見。

時価総額1兆ドルを目指す起業家コンビが主人公。日本初のカジノリゾート開発に参入して、あの手この手で地元民の心をつかむ。しかし相手は手強い世界一のカジノ王。そこに財閥が入り込み、三者の駆け引きが始まる。

テンポはいいし、スケールも大きい。豪華なセットときらびやかな映像。敵は裏社会に通じる実力者で、相手にとって不足なし。舞台装置はそろっている。

しかし、全体的に深掘りができていない印象。苦境に陥る主人公たちだが、たちどころに妙案を思いつき、あっという間に解決。次々に難局をクリアしてしまう。とんとん拍子の展開であまりにもうまく話が運びすぎるため、台本をなぞっている感じが否めない。

主人公、悪役、財閥と三角関係があるのに、うまく生かし切れていない。あっというような仕掛けがなくので、なんとなく思った通りに話が進んでしまうところもイマイチ。スカッとする話ではあるが、意外性がないので欺しの映画としては物足りなさが残ってしまう。