映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013)の感想。レオナルド・ディカプリオ主演。

レオナルド・ディカプリオ主演。ウォール街を舞台とした成り上がりの狂乱物語。

下品だし、悪ふざけ、乱痴気騒ぎ、セクシーシーンばかりが目につく。こんなつくりなら冗長で途中で飽き飽きしてしまうものだが、不思議と3時間の長さを感じないで観ることがきる映画だ。

最後に、主人公がセミナーの受講生に自分にペンを売ってみろと迫るシーンがある。そのときの売ってやろうという迫力が画面から伝わる。主人公はこの迫力を胸に秘めているわけだが、ストーリー中にそれがにじみ出るような場面は少ない。ひたすらバカ騒ぎを表に出しているだけで、鼻につく覚悟などおくびにも出さない。貪欲に金儲けに徹するエネルギーだけが描かれる。そこがいい。

ディカプリオ演技は秀逸。劇中で、怪しいブローカーに入った途端に、マシンガントーク炸裂でくず株を顧客に売りつけるシーンがある。悪徳セールスマンなのは確かなのに、弁舌さわやかであっという間に顧客を魅了してしまう。ディカプリオには、どんな大げさな演技をしてもわざとらしさを感じさせないよさがある。さすがにハリウッドの人気俳優。

ディカプリオのよさが最大限に発揮された作品だと思う。