映画「カリオストロの城」(1979)の感想。シンプルでルパン三世の原点。

今更ながら「カリオストロの城」を観てみた。45年くらい前の作品になる。

最近のルパンシリーズと比べると、つくりがかなりアッサリしている。設定は、悪役に姫がとらわれていて、成り行き上ルパンが姫救出のために悪役と戦うというもの。壮大過ぎず簡単過ぎず、話の進め方としても、これくらいがちょうどいい。

クラリスとの関係も、ほんのさわりで終わっていて、ベタベタ感がない。美しい姫は、遠くから眺めるのがいい。悪役も傲慢で強欲な貴族というだけで、秘密結社とか特殊能力などとは無縁だ。

ルパンはいわゆる正義の味方。泥棒が本職ではあるが、スマートで優しい心を持ついい男。それにつられるように、銭形警部もルパンと手を結んだりもして、意外に話がわかるオヤジだ。

ルパンの原点になるようなシンプルな作品だと思う。次第にゴテゴテ感が出て、やり過ぎになるのは仕方ないかな。お金をかけないでつくれば、この作品のようなものができるのではないか。