映画「最高殊勲夫人」(1959)の感想。源氏鶏太原作、若尾文子主演。

1959年公開の増村保造監督作品。源氏鶏太原作、若尾文子主演。

一般家庭から商社の創業一族に嫁いだ長女と二女。それならと3番目もどうしもと三女の嫁入りを画策する長女。双方の家庭と会社で起きる騒動をコメディタッチで描いたドタバタ劇。

三女を演じる若尾文子がいい。自分の結婚話などどこ吹く風といった奔放な女性をうまく演じている。こういった軽いノリの女性は彼女のはまり役だ。彼女に魅せられる周りの男性たちをスルスルとすり抜けるあっけらかんとした表情。ラブコメディ的なところが入った作品だが、当の彼女が恋愛しているかどうかも定かではないくらいの無邪気さを発揮する。

昭和30年代の社会のエネルギーも感じる。植木等のシリーズでも同じだが、この時代のコメディには明るいスピード感がある。このノリは今の映画ではなかなか出せない。