仏映画「私がやりました」(2023)の感想。

2023年公開のフランスコメディクライム映画。

コメディではあるが、抱腹絶倒というほどではない。世相を風刺的なな描写で笑わせてくれる軽いタッチのコメディ。

舞台は1930年代のパリ。売れない女優と駆け出しに女性弁護士がルームシェアで生活している。生活はかつかつであるが、ある日女優がプロデューサーから愛人になる引き換えに端役の提示を受け迫られる。張り倒して帰宅すると、そのプロデューサーが銃殺されたとの知らせが刑事によりもたらされる。彼女は殺人の嫌疑をかけられ容疑者として裁判にかけられる。

女性蔑視が当たり前だった時代。男たちはそれが当然というごとき振る舞いをする。プロデューサーは今の感覚でも言語道断だが、婚約者さえ愛人になることを要求して何とも思わない感覚。ポンコツ判事、裁判官たちの女性への対応ぶりも今なら問題外だ。

そんな男社会を相手に、大衆の心をつかんで悲劇のヒロインとなって世間の注目の存在になる二人。ピンチを逆手にとっての出世物語は見ていて痛快だ。

場面ごとのドタバタではなく、構成としてのドタバタ劇であり、かなりよくできているコメディだと思う。