映画「交渉人 真下正義」(2005)の感想。踊る大捜査線シリーズ第3作。

踊る大捜査線シリーズのスピンオフ映画。第3作なのであまり期待せずに見たが、思いのほかよかった。

地下鉄の試験車両システムが乗っ取られる。犯人は交渉相手に真下正義を指名してくる。遠隔地から地下鉄を操作する犯人と制御室の真下。暴走する地下鉄とコンサートホールに仕組まれた爆弾をめぐり、ふたりの緊迫のやりとりが続く。

前2作とは違って、現場と本庁の力関係が逆になっている。誇り高き現場の主たちが陣取る地下鉄の制御室。一見すると気弱に見える真下が入っていっても、まったく相手にされない。交渉が進むにつれて、真下の腕を認め始め、両者の関係が徐々に近いものになっていく。一方、警察の現場では、強面の木島率いる刑事たちが、イケイケどんどんの捜査を進める。

サスペンスものとしては、なかなかよくできていると思う。焦点を犯人と真下の交渉にしぼってあり、緊迫感が最後まで持続する。現場の木島刑事の豪快キャラも見どころ。スピンオフながら前2作よりもよくできていると思う。