映画「影の軍隊」(1969)の感想。ナチス支配下のレジスタンス運動。

第二次世界大戦中のレジスタンス運動を描いたフランス映画。主演はリノ・ヴァンチュラ。

第二次世界大戦中のナチス支配下のフランス。逮捕され収容所に入れられた土木技師の主人公は、脱出に成功してレジスタンス運動に復帰する。追っ手を避けながら、同志と連携して活動を続ける。

フランス映画らしく抑制されたトーンで淡々と戦時下の様子が描かれる。ナチス相手の大がかりな抵抗運動を扱っているわけではない。ドイツ兵による直接的な暴力シーンもほぼない。ただ地下組織の日常的な動きを淡々と描くことで、重苦しい雰囲気が画面を通して伝わってくる。

中心となるのは、ありきたりのレジスタンスたちの連帯感の裏にある同志間の苛烈な関係。決死の救出作戦で仲間を救ったと思えば、次の場面では裏切りへの非情な対応が描かれる。

リアルな描写で過酷なレジスタンス運動を見つめた作品。