金大中事件を扱った韓日合作映画。
1973年に起きた金大中事件は、KCIAにより金大中氏が日本のホテルから拉致された事件。結果的には、アメリカ、日本の介入により解放され、ソウル自宅近くで発見された。
この事件については、その後に真相が明らかになっている。実情は日米も絡んで国際スパイ映画のようなことが本当に起きていたという驚きの事件。この映画は脚色をできる限り排して、ドキュメンタリー仕立ての構成になっている。
自衛隊員と在日女性との関係、KCIAにマークされる反体制派の活動なども一部入っているし、それが当時の状況説明にもなっている。だが、基本は淡々と流れる拉致工作と事件収拾までの動き。日本とアメリカ当局は事の推移を把握していて、KCIAを泳がせているのはまさに国際謀略戦。
事件後に、田中角栄と金鍾泌との会談もあり、政治決着がはかられた。金大中氏は後年大統領になった後も、この件を蒸し返さなかった。こわい話だ。