映画「イージー・ライダー」(1969)の感想。ピーター・フォンダ主演。

ピーター・フォンダ主演のロードムービーで、ニューシネマの代表作。70年代に青い鳥を探しに行く物語。

冒頭から、星条旗がデザインされたヘルメット、ジャンパー、タンクが映し出され、自由という青い鳥はアメリカそのものであることを暗示する。

麻薬の密売で手にした大金を手に入れ、あたかも自由への切符を手にした気分の二人。自由を求めてオートバイでニューオーリンズに向かう。だが、道中、思惑とは違った出来事に遭遇する。敬虔なキリスト教徒の世話になったり、共同生活を営む村によったりするが、誰もが規則を従順に守る人たちばかりだ。

また、ジャック・ニコルソン演じる飲んだくれの弁護士と知り合いになる。一見型破りに見える彼であるが、マリファナを吸うことさえも躊躇する。彼もまた閉じ込められた人でしかない。ようやくマリファナを吸わせてみるが、訳のわからないことをしゃべり出す始末。その姿は、実体のない自由を求める自分たちそのものだ。

国の根幹でもある宗教でも、戒律を守ることは当たり前。思惑がはずれて、ふたりは自由と巡り会うことがないまま映画は終わる。

アメリカに住んでいるだけで、自由を手にしているのに、束縛から逃れたいために自由を求めるふたり。当時の世相を反映している作品だ。