ハワード・マークス著「市場サイクルを極める」書評感想

市場のサイクルについての本。インスタントな株本ではなく、深い洞察をもとにしたサイクルについての考察が述べられている。

サイクルとは次々に出来事が起きるという流れのことではない。それぞれの出来事が次の出来事を引き起こす。そのためランダムで予測できない。

値動きのサイクルは、景気、政府の対応、企業の利益、投資家の心理、リスクに対する姿勢など、サイクルを描くいろんな要因でつくられる。

著者は、市場サイクルを理解することが最も重要と言う。優れた投資家は、サイクルのどこにいるかを知っているとも。

一般的な投資家は平均的な思考をとってしまう。サイクルにそのままのってしまうのだ。好景気には楽観的になりすぎ、不況下では悲観的すぎる考えになる。

それではどうやって平均から抜け出すか。行き過ぎるという相場の性質を理解して、過熱や悲観相場のときには、ちょっと離れた目で市場を見ることかな。

人と同じことをやっていては勝てないとよく言うが、それが難しい。

サイクルについて考えさせられる本。良書だが難しい。