仏映画「まぼろしの市街戦」(1966)の感想。

1966年公開のフランス映画。第一次世界大戦末期、敗走するドイツ軍はフランスのある田舎町に時限爆弾を仕掛けた。その解除の任務を命じられた伝書鳩の飼育係が、現地に赴いてドタバタ劇を繰り広げる。

コメディタッチの戦争映画で主題は反戦だ。主人公の伝令兵は、精神病院の患者が残された街の中では、とても戦時中とは思えない狂ったような光景を目にする。彼らは伝令兵を王として奉るようになる。

なんという街なのだと思いながら見続けると、徐々に見方が変わってくる。変なのは街の住人ではなく、周りで戦争をしている連中なのではと。住人たちは普段と変わることのない日々を送っているだけだ。それなのに戦争という名のもとに、国家と国家が無益な殺し合いが平気で行われている。

ヨーロッパのバカ騒ぎは独特だ。アメリカの悪ふざけ的なものとは違うし、もちろん日本のものとも違う。ただただ騒ぎ立てているだけのように見える。もちろんパンチラインがわからないからかもしれないが、ちょっと理解できないドタバタだ。