スポンサーリンク
外国語

江利川春雄著「英語と明治維新」の感想。

幕末から明治初期の日本の外国語への対応についての詳細な記録。明治維新といえば、大きな内戦にも発展しないで大変革を成し遂げたという歴史上でも希有な出来事だと思う。徳川幕府の崩壊のみならず、武士社会の終焉を穏やかにおさめた当時の指導者たちの働き...
外国語

大山祐亮著「外国語独習法」の感想。

著者は比較言語学者で外国語の専門家。100言語と帯にあるが、これは誇張ではない。外国語を専門にしていだけあって、メジャーな言語はもちろん、マイナー言語でも聞いたことのない言葉にまで著者の守備範囲は広がる。そして本書では多言語の学習で身につけ...

高木彬光著「失踪」の感想。

プロ野球を舞台にした珍しいミステリー。後楽園球場でのプロ野球の試合中、登板中のピッチャーが突如降板を申し入れ球場から姿を消した。その夜、実業家が絞殺され、現場でそのピッチャーのシガレットケースが見つかる。偶々依頼人との関係で巻き込まれた百谷...

フレドリック・ブラウン著「真っ白な嘘」の感想。

短編の名手フレドリック・ブラウンのミステリー短編集。18編収録。軽妙の語り口とウイットのきいたオチ。どれを読んでも引き込まれる。オチの作り方が複雑すぎず浅すぎず絶妙なポイントにある。ちょっと物足りないくらいで終わり、余韻を残すようなクライマ...

高木彬光著「人蟻」の感想。

人蟻とは何のことかと思うが、蟻のように砂糖に群がる人たちという意味。製糖会社の暗部に絡む殺人事件の話。戦後の混乱期に、台湾から砂糖を不正輸入したという設定は著者らしい。裏の経済とそこで一儲けをもくろむ野心家たちの暗闘。そして業界の闇を暴こう...

高木彬光著「肌色の仮面」の感想。群像推理劇。

画期的なγ(ガンマ)合金を開発した大学教授が行方不明になった。私立探偵が捜査を始めると、その秘密をめぐる産業スパイの動きが明らかになってくる。更に、企業との関係による株価の動きに群がる人々が現れ、捜査は混迷を極める。新合金の開発者である教授...

牧野愛博著「韓国大乱」の感想。

著者は朝日新聞記者で元ソウル支局長。タイトルのとおりにユン・ソンニョル大統領の戒厳令宣布の背景とその後混乱に陥った韓国についてのレポート。新聞記者らしく詳細な取材をもとにした事件の分析は読み応えがある。ユン大統領の人となりから、戒厳令にまで...

高木彬光著「黒白の囮」の感想。

グズ茂こと検事近松茂道が探偵役。エラリー・クイーンばりに、謎解きの前に読者への挑戦状が提示される本格派ミステリー。トリック、ストーリーとも思った以上の出来で、かなり楽しめた。登場人物が少ない割には凝った構成。二つの事件の関係が徐々に明らかに...

中川浩一著「中東危機がわかれば世界がわかる」の感想。

中東はイスラム圏という一言でまとめられることがあるが、実際は複雑過ぎて状況を理解するのが難しい。プレイヤーが多すぎてそれぞれの立場をとるため、ひと括りにするには無理があるからだ。本書では、主要国と現在の紛争地域にポイントを絞って現況の解説し...

武田一顕著「日本人が知っておくべき中国のこと」の感想。

著者は、「国会王子」の愛称で知られる元TBS記者。香港留学、北京特派員も経験した中国通でもある。どのような歴史をたどって今の中国があるかについて、平易に説明してある。とくに中国の心情について、歴史的な観点を踏まえた考察が興味深い。今ではアメ...
スポンサーリンク