BBC制作のスパイドラマ。全6話。冷戦下の70年代に英国情報局保安部MI5がソ連KGBと繰り広げる諜報戦。
かなり本格的なスパイドラマ。イギリス国内でKGBのガラス作戦という陰謀を阻止しようとするMI5の活躍が描かれる。最近のBBCドラマと違って制作費がかかっていないのは簡素な取調室などからうかがえる。それでもKGB対MI5の丁々発止のやりとりは緊迫感があって引き込まれる。
ほぼ一人でKGBを代表している殺し屋は不気味さ抜群で、裏切り者に魔の手をのばしてくる。ナイフでリンゴの皮もむくだけでKGBの恐ろしさが伝わってくるのは秀逸な演出だ。一方のMI5は多種多様なメンバーたち。面白いのは、彼らのプライベートがあけすけに描かれること。何をやっているんだこいつらはという感じの場面が頻発する。人間味あふれるキャラ設定だ。
ストーリーは、高度な諜報戦の定番である二重スパイの登場で盛りあがっていく。やはりこいつかというオチもうまく決まっている。見応えたっぷりのスパイドラマ。おすすめ。