映画「碁盤斬り」(2024)の感想。草彅剛主演。

主演の草彅剛が、融通が利かないが一本筋の通った武士を演じる人情物語。

碁盤斬りとは何のことかと思ったが、最後まで観てなるほどそういうことかと納得。主人公が余技の囲碁を通じて豪商との関係が深まるという設定はうまいと思う。囲碁に対しても一本気の性格がにじみ出て、それが豪商の信頼を得る。そしてそこからの一波乱。

主人公は世渡り下手であるが、そこに武士道の美しさが投影されている。生活が苦しくても、騙されても、疑われても、筋を曲げない。大げさに言えば、裏には理想と現実といういつの世にもある命題が読み取れ、それでも一切ぶれることのないすがすがしさを草彅剛がうまく演じている。

井山裕太氏が出演しているが、まったく気がつかなかった。