荒川清秀著「体験的中国語の学び方」の感想。

著者は中国語研究者で元NHK中国語講座講師。中国の学習法と自身の体験をもとにした中国語とのかかわりの体験記。

学習方法についての具体的なアドバイスがたくさん挙げられている。どれも少しずつ前に進むための方法だ。中国語特有の発音や辞書の選定など役に立つ情報もある。著者の真剣さが伝わってくるし、真面目に中国語に取り組もうという人に向けて書かれていることがわかる。

自身の中国語とのかかわりも興味深い。中国語専門の先生と言えども、習得には苦労はつきものだということがわかる。一学習者としてドイツ語やフランス語を学んだ経験についての話しも面白い。

また、教育者としての体験やNHKの講座をつくるうえでの苦労話もある。NHKの講師の時期はかなりの激務になっていたようで、視聴者としては頭が下がる思いだ。大学教員としてのいろんな話しもあって、アカデミックの世界の難しさも垣間見ることができる。

著者の中国語への情熱が感じられる本。おすすめ。