映画「パリは燃えているか」(1966)の感想。

1966年公開の米仏合作モノクロ映画。ナチスの占領末期からパリ解放までの過程を描いている。

パリのレジスタンスの話なので、もっとシリアスな作品かなと思って観たが、予想以上に娯楽性が強かった。アメリカ映画のエンターテインメント性とフランス映画のシリアス性が混在するようなつくりだ。この時代に敢えてモノクロで撮られた映像はフランス映画の雰囲気を感じさせるが、ストーリーはアメリカンエンターテインメントで、全体としては戦争娯楽映画になっている。ただ、大作戦が繰り広げられるわけではないので、パンチには欠ける。

目をみはるような豪華なキャスティング。アラン・ドロン、ジャンポール・ベルモンド、オーソン・ウェルズ、カーク・ダグラス、アンソニー・パーキンスなど。ほとんどが、顔出しのお披露目程度の出演にとどまっている。

一番の主要人物は、007ゴールドフィンガーのゲルト・フレーベが演じるコルティッツ将軍。ヒトラーの命令を無視して、結局パリを守ったことになった司令官だ。

フランス映画テイストのアメリカ映画。長い戦争娯楽映画を楽しみたいならよい作品だと思う。