1936年から1937年に発表された怪奇ミステリー。後の角川で映画化された有名作よりも前に発表された作品。金田一耕助も登場しない。
登場人物は少ない。地方名家の古い因襲というパターンもそれほど強くない。語り手の若手研究者椎名耕助が、同行者の乙骨三四郎と静養で訪れた人里で殺人事件に巻き込まれる。そして怪奇色を漂わせていて不気味出来事が次々に起きる。そういった舞台の裏で、真珠郎と老婆をうまく使ったトリックが進行している。由利麟太郎が探偵役で突然現れて解決する。
この時代のものとしてはトリックもいいし、こぢんまりと作り込まれた雰囲気もいい。なかなか面白く仕上がっている秀作だと思う。



