映画「オリエント急行殺人事件 」(2017)の感想。ハリウッド的な現代風ミステリー。

何度も映像化されたアガサ・クリスティーの名作「オリエント急行の殺人」をリメイクした作品。

最初の印象は、とにかくかなり派手。そして今のハリウッド映画の雰囲気が満載。きれいな映像と豪華なセット、俳優たちの高い演技力。そして大胆な脚本。ミステリーなので、脚本に原作からの変更はあまりない。だが、ポアロにはまったくユーモラスなところはないし、挙げ句の果てにアクションまでこなしてしまう。これにはちょっと驚いた。

かなり挑戦的な作品に見えるのも仕方ないと思う。よく知られた名作をもとに映画化すれば、ふつうにつくっていては、映画が原作に負けて平凡な作品になってしまうだろうから。大胆に、100年前のオリエント急行に、今のハリウッド映画をまるまるのせてしまうくらいのことをやって、ちょうどよいのだろう。

既にオリエント急行のイメージを持っている人にとっては、斬新さを感じるか、違和感を感じるかは、人それぞれかな。

良くも悪くも、今風のハリウッド映画として生まれ変わった「オリエント急行殺人事件」。目で楽しむ娯楽作品としてはよくできていると思う。