映画「12人の優しい日本人」(1991)の感想。脚本は三谷幸喜。

三谷幸喜の戯曲を映画化した作品。裁判員裁判が舞台。

ある殺人事件のために12人の陪審員が集められた。被告の有罪、無罪をめぐって、てんやわんやの議論が繰り広げられる。

12人の個性的な人物が登場する。会議室内のみの長回しの映像だが、それぞれのキャラがハッキリしていて、混乱することなく話を追うことができる。三谷作品らしい巧みなセリフまわしは見事。

演劇として見ればかなり面白い。12人へのうまい役割分担。キーパーソンである正義感あふれる仕切り役の青年と自称弁護士の配置もうまい。いくつかの流れの転換もあるし、延々と続く議論にも退屈しない。

映画としては、やはり少し起伏が足りないように感じる。終盤、事件の真相がミステリータッチで解明されるように思え期待したが、あっさりと終わってしまった。

かなり演劇寄りの映画作品。演劇好きにはおすすめ。