イ・ビョンホン主演の韓国ノワール映画。
裏社会のボスのもとで実績をあげる敏腕のホテルのマネージャーのソヌ。ボスの留守中に若い愛人の監視を命じられる。愛人の男との密会の現場をおさえるが、ソヌは情けをかけてしまう。それを知ったボスは、それをソヌの裏切りととる。
イ・ビョンホンが泥の中に埋められたり、ロープで吊されたりと大車輪の活躍する。もちろんカーチェイスもあり、体を張った迫真の演技が続く。だが、脚本が割と平板な感じがする。争いのもとになるソヌの愛人に対する気持ちがあるようなないような曖昧な描き方。次々と繰り出されるボスの追っ手との攻防が淡々と続く単調さ。都合のよいところに登場する対立グループのボスなど。
愁いを含んだようなソヌの内面の演技もあるが、突然のボスの手のひら返しに呆然とするといった表情のみ。揺れ動く心理を表現するようなメリハリがなく、あまり深みを感じられない。
イ・ビョンホンを見るための作品。彼のファンならたまらない映画だと思う。



