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小川哲著「言語化するための小説思考」の感想。

著者の直木賞受賞作「地図と拳」を読んだときに、確かに面白いが、かなりとっちらかった小説だと思った。しかし、決して動かない箇所がいくつかあって、そこで作品全体をしっかりと支えているという印象を受けた。まるで、暴れ馬をうまく乗りこなしているかの...

小林哲夫著「予備校盛衰史」の感想。

文藝春秋に同級生交歓というコーナーがある。それなりの出世をとげた人たちが、かっての同級生と並んだ写真が掲載される。取り上げられるのは、ほとんどは名門校と言われるところばかり。しかし考えてみれば、最も世の中に人材を輩出した学校といえば、大手予...
外国語

澤井康佑著「英文法以前」の感想。

英語を習い始めたときに感じる違和感。多くの場合、日本語との差から生じているが、英語独特の規則によるものも多い。最初は屁理屈のようにも感じられ、英文を理解するのはパズルの解読のように感じてしまう。ところが、学習が進んでくると、それが当たり前の...
外国語

大山祐亮著「外国語を独学で極める技術」の感想。

前著に続く著者の外国語学習法。今回は主にモチベーションの維持について。外国語学習の方法についての本は数多いが、ほとんどが学習方法についてのものだ。どんな勉強をすれば上達するのかといった内容のもの。確かにそれぞれに工夫を凝らした方法が紹介され...

ダシール・ハメット「赤い収穫」の感想。

ダシール・ハメットによるハードボイルドの名作。探偵コンチネンタル・オプが登場する。時代は1920年代。コンティネンタル探偵社の支局員のコンチネンタル・オプが、依頼を受けて鉱山町に赴く。そこは顔役たちによって牛耳られて、悪がはびこる街になって...

高木彬光著「死を開く扉」の感想。

神津恭介が解決に挑む密室殺人事件。構成は割とシンプル。旧友を訪ねて若狭に足を運んだ松下が、資産家宅で起きた殺人事件の捜査に関与する。被害者は、四次元の世界を連想させるような扉を邸宅につくったミステリアスな性格の持ち主。東京からの神津恭介の指...

横溝正史著「真珠郎」の感想。

1936年から1937年に発表された怪奇ミステリー。後の角川で映画化された有名作よりも前に発表された作品。金田一耕助も登場しない。登場人物は少ない。地方名家の古い因襲というパターンもそれほど強くない。語り手の若手研究者椎名耕助が、同行者の乙...

小川哲著「地図と拳」の感想。

著者の直木賞受賞作。20世紀前半の満州が舞台。当時の満州は、日中露の3カ国がしのぎを削るホットスポット。登場人物も多く、それぞれが我が道を突き通そうとして衝突したり手を組んだりと、様々な人間模様が展開する。半世紀に及ぶ絵巻物のような物語だ。...

ジョン・ル・カレ著「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の感想。

スマイリー3部作の第1弾。傑作と言われているだけあって、さすがに読み応えがある。舞台の多くはサーカスこと英国情報部の本部で、いわゆるオフィスビルだ。幹部たちが秘書をしたがえてそれぞれの個室に陣取っている。書類が積み上がり、煙草をふかしたりコ...

高木彬光著「女か虎か」の感想。

タイトルは、リチャード・ストックトンのリドル・ストーリー「女か虎か」に因んでいる。読者に選択肢だけ示し結末を委ねるというスタイルで、それをもとにした構成になっている。ある晩、警察に通報があり警官が駆けつけたが、ただの夫婦喧嘩として処理された...
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