谷川浩司、山中 伸弥著「還暦から始まる」の感想。

将棋の谷川浩司永世名人とノーベル賞の山中教授との対談本。

還暦を越える年齢になれば、当然自分の老いと能力の低下を感じざるを得ない。それにどうやって向き合うべきか。経験値は高いというアドバンテージをできる限り利用するというもっともな結論に落ち着くの仕方ないかな。

才能についての考察は面白かった。どんなに努力しても誰もがトップアスリートになれるわけではないという現実は意味深い。結局、人間は出来る範囲で出来ることをやっているに過ぎないかもしれない。それは年齢に応じた生き方にもつながるだろう。ただ、できるできないの境界がどこにあるかはわからないし、自分の頑張りが範囲を広げるのに一番効果的というのもあるだろう。

山中教授のランニング熱がこれほどだったとは知らなかった。凝り性なのだろうが、こういうところにも大きな仕事をする人の特徴が現れている。