ミステリー

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道尾秀介著「雷神」の感想。(ネタバレ)

かなりトリッキーなミステリー。謎解きだけにたよるのではなく、全体の構成を挑戦的なフォーマットでつくってしまった作品。一言で言えば、風が吹けば桶屋が儲かる的な因果律を使って物語を作っている。まったく関係のない出来事が、回り回って他の出来事に大...

ミシェル・エルベール&ウジェーヌ・ヴィル著「禁じられた館」の感想。

1930年代のフランスのクラシックミステリー。富豪の館で主人が自室で殺害された。それまでには何度も館から出て行くようにとの脅迫文を受け取っていた。周りには使用人が多数いて、それぞれにアリバイがある。互いの潔白を証明するような証言が集められる...
テレビ

BBCドラマ「ザ・ゲーム」(2014)の感想。KGB対MI5の諜報戦。

BBC制作のスパイドラマ。全6話。冷戦下の70年代に英国情報局保安部MI5がソ連KGBと繰り広げる諜報戦。かなり本格的なスパイドラマ。イギリス国内でKGBのガラス作戦という陰謀を阻止しようとするMI5の活躍が描かれる。最近のBBCドラマと違...

ジョン・ル・カレ著「スマイリーと仲間たち」の感想。

ジョン・ル・カレのスマイリー三部作の三作目になる。パリの場末のバス停で始まる冒頭。ただのおばさんに見えた老女が亡命者で、東側から厳しく監視されている人物であることがわかってくる。家族への危害をちらつかせる東側のスパイ。彼女が将軍という名を持...
映画

映画「カラスの親指」(2012)の感想。道尾秀介原作。

道尾秀介原作のミステリー。阿部寛、石原さとみ、能年玲奈出演。つらい過去を持つ阿部寛演じる詐欺師が成り行きで5人で共同生活を始めることになる。詐欺コンビの相方と偶然知り合った姉妹とその姉の彼氏。そこにかっての因縁のある裏社会の実力者が現れ危機...

ドゥーセ 著 「スミルノ博士の日記」の感想。

スウェーデンの作家サムエル・アウグスト・ドゥーセによる推理長編小説。古典的ミステリーとしてかなり有名な作品らしい。翻訳もいいし、無駄な修飾がないので読みやすい。1910年代の作品としてはかなり現代的な雰囲気で読むことができる。室内での殺人と...
映画

映画「室井慎次 敗れざる者」、「室井慎次 生き続ける者」(2024)の感想。

踊る大捜査線シリーズのスピンオフ作品。室井慎次が警察をやめた後の様子が描かれる。2作品を前編後編とした構成。刑事ものと言うよりもヒューマンドラマ。室井慎次はもともと組織の中での何をすべきなのかを自問自答するキャラ。結局のところ定年を前に辞職...
テレビ

NHKドラマ「アストリッドとラファエル5 文書係の事件録」第8話「完全犯罪の台本」の感想。

第5シーズンの最終話。前半は倒叙式かと思わせる展開で、どうやって犯人を追い込むのかと興味津々で話を追った。ところが、その犯人が途中で殺されてしまう。現れたのは得体の知れないラマルクという人物。これで何度目の登場になるかな。後半、一気にアスト...
映画

映画「点と線」(1958)の感想。松本清張の代表作。

原作は松本清張の代表作。昭和33年公開。加藤嘉、南広、山形勲、高峰三枝子出演。原作を初めて読んだときには、さすがに時代を感じさせるなと思ったものだ。トリックにばかり目が行ったためだが、そこを除けば上質のミステリーだ。この映画も原作同様に、昭...
テレビ

NHKBSドラマ 横溝正史短編集IV「湖泥」の感想。

第4シリーズの第3話。今シリーズの中では一番ミステリーとして楽しめた。謎解きを邪魔しないようなつくりになっていて、純粋に犯人捜しに没頭できる。斬新な演出も健在であるが、裏方に徹しているような扱いで、派手さはないがしっかりと仕事をしているとい...
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