里中哲彦著「日本人のための英語学習法」書評感想

著者は著述家で河合塾講師。正統派の英語学習法についてのコツをまとめた本。

日本人向けの学習法のアドバイスを項目に分けてまとめてある。基本はオーソドックスなやり方。楽して身につくものではない、トレーニングが足りない、質より量など、インスタントなペラペラ英語を目指す人には耳が痛い文句が並ぶ。

ネイティブ並みの完璧さを求めず、日本人の英語でよいという自前の英語指向。自分が必要とする英語力を、ポイントをしぼって学習する。

それから勉強に熱心になるあまり、学ぶこと自体が目的になり、英語を極めようとしてしまうことにも否定的。内容を伝えるためのツールとして学ぶべきと。

英語をシャワーのように浴びるは無駄であり精聴に力を注ぐべき、初心者は映画よりドラマやアニメ、文法は使いながら覚えるなど、実用的なアドバイスも紹介してある。

英語教育の最前線からの提言で納得のいく内容。無闇にペラペラ英語を求めず、自分に必要な英語力を明確にして、そのトレーニングに集中する。現実的な英語学習法だと思う。