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ジョン・ル・カレ著「スマイリーと仲間たち」の感想。

ジョン・ル・カレのスマイリー三部作の三作目になる。パリの場末のバス停で始まる冒頭。ただのおばさんに見えた老女が亡命者で、東側から厳しく監視されている人物であることがわかってくる。家族への危害をちらつかせる東側のスパイ。彼女が将軍という名を持...

斎藤充功著「消された外交官 宮川舩夫」の感想。

帝政末期から太平洋戦争の終戦まで、対ソ外交で活躍した宮川舩夫に関する評伝。ロシア専門の外交官といえば、近年ではお馴染みの佐藤優氏が思い浮かぶが、それよりも半世紀以上も前に、ソ連を相手に奔走していたのが宮川舩夫である。ノンキャリアとして外務省...

ドゥーセ 著 「スミルノ博士の日記」の感想。

スウェーデンの作家サムエル・アウグスト・ドゥーセによる推理長編小説。古典的ミステリーとしてかなり有名な作品らしい。翻訳もいいし、無駄な修飾がないので読みやすい。1910年代の作品としてはかなり現代的な雰囲気で読むことができる。室内での殺人と...
外国語

斉藤淳著「1億人の英語習得法」の感想。

著者はイェール大学元助教授で海外経験が豊富な英語教育家。今までの学習法のどこが問題でどうしたらよいのか。英語学習でつまづいた人を念頭に、英語学習のロードマップになる系統だった勉強法を示している。受験英語の変遷からの考察は興味深い。徐々にでは...
外国語

ラテン語さん著「ラテン語さんが教える 外国語上達への学習法」の感想。

一般的な外国語独習法というよりも、ラテン語さん自身の外国語学習法を紹介した本。ラテン語はもちろん、9カ国語にわたる学習歴から取り出された方法はどれも役に立ちそうなものばかり。入門書の選び方、単語の覚え方、学習環境の整え方など。9カ国語それぞ...
外国語

江利川春雄著「英語と明治維新」の感想。

幕末から明治初期の日本の外国語への対応についての詳細な記録。明治維新といえば、大きな内戦にも発展しないで大変革を成し遂げたという歴史上でも希有な出来事だと思う。徳川幕府の崩壊のみならず、武士社会の終焉を穏やかにおさめた当時の指導者たちの働き...
外国語

大山祐亮著「外国語独習法」の感想。

著者は比較言語学者で外国語の専門家。100言語と帯にあるが、これは誇張ではない。外国語を専門にしていだけあって、メジャーな言語はもちろん、マイナー言語でも聞いたことのない言葉にまで著者の守備範囲は広がる。そして本書では多言語の学習で身につけ...

高木彬光著「失踪」の感想。

プロ野球を舞台にした珍しいミステリー。後楽園球場でのプロ野球の試合中、登板中のピッチャーが突如降板を申し入れ球場から姿を消した。その夜、実業家が絞殺され、現場でそのピッチャーのシガレットケースが見つかる。偶々依頼人との関係で巻き込まれた百谷...

フレドリック・ブラウン著「真っ白な嘘」の感想。

短編の名手フレドリック・ブラウンのミステリー短編集。18編収録。軽妙の語り口とウイットのきいたオチ。どれを読んでも引き込まれる。オチの作り方が複雑すぎず浅すぎず絶妙なポイントにある。ちょっと物足りないくらいで終わり、余韻を残すようなクライマ...

高木彬光著「人蟻」の感想。

人蟻とは何のことかと思うが、蟻のように砂糖に群がる人たちという意味。製糖会社の暗部に絡む殺人事件の話。戦後の混乱期に、台湾から砂糖を不正輸入したという設定は著者らしい。裏の経済とそこで一儲けをもくろむ野心家たちの暗闘。そして業界の闇を暴こう...
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